ユビキタスの街角

Thursday, May 05, 2011

メールとURL

最近はあらゆる情報にURLがついている。 製品にも本にも日記にもレシピにも場所にも人間にもURLがついており、 あらゆる情報へのポインタがURLで表現できる時代になってきたといえる。 ところが何故かメールだけにはURLがついていない
メールは個人的なものだから当然だと思われているかもしれないが、 考えてみると不便な話である。 会議やイベントの連絡がメールで送られてきたとき、その情報を表現するURLは存在しないので、 別の場所からその情報にリンクを張ることができない。 面白い情報をメールで貰ったとき、それを他人に伝えようとするとメールの転送が必要で、 そのデータにブラウザからアクセスできないのは不思議な話である。 あらゆる情報の中でメール情報だけが別の世界にいるかのようである
Wikiは便利だが、メールで受け取ったデータにリンクを張ることができないのが不便である。 メールで貰ったイベントの案内をWikiに書きたいと思ったとき、 メールにリンクを張ることはできないのでイベントのページを捜すことになるが、 適当なWebページが有るとは限らない。 会議の連絡や宴会の連絡がメールで来るのは日常茶飯事であるが、 会議のページや宴会のページなど無いのでリンクを張ることは不可能である。
これらの情報を参照する場合、メールソフトを利用するか、 メールの内容を別の場所にコピペしておいて参照するのが普通であろう。 また、こういった不具合を解決するため、 メールも文書も同じように扱えることを売りにしたソフトが色々開発されているが、 メールが別世界にいるという状況が変わるわけではない。 文書などのデータはそのまま普通にWebで公開できるのに対し、 メールを公開するにはコピペなどのデータ変換が必要になる。
そもそもメールが同じ世界に存在して直接リンクを張ることができるのならば こういう面倒は不要なはずである。 メールだけが別世界にいることが問題であり、 メールを含むあらゆる情報がひとつの世界に存在してURLで一括管理できれば メール情報の扱いの面倒さは解消するはずである。
メールが開発されたのはWebが開発されるよりもずっと前のことなので、 別世界の話なのは仕方がなかったかもしれないが、 Webが発明されて20年近くたっている現在、 いつまでもメールを別世界のまま放っておくわけにはいかないだろう 。 なんらかの方法での融合が必要だと思われる。
...というわけで、メールの世界をWebの世界と融合させるために Gyammというシステムを開発した。 GyammはQuickMLGyazoと似たテイストのシステムで、 xxxx@Gyamm.com にメールを送るとそれがWebに公開される「だけ」のシステムである。 機能は単純だが、上に書いたような問題を解決する可能性を持っているうえに 普通に便利なシステムなので、ぜひ使ってみていただきたい。